酸性雨の顔が好き

平成ノブシコブシが好きと言いつつこのブログの8割強がヨシムラタカシ寄りなのは、変態読者(愛をこめて!)の皆様ならお気づきでしょう。もちろん両方好きです。どっち!とかないけど、自然と目が行くのが彼なだけ。そんな私が『咆号』についていつも異常に偏った感想を書きます故、何卒ご了承ください。今現在、気持ちがふわふわしてるので余計危ない…そして長い上に文才のなさ。あといろいろ間違ってたらごめんなさい。
あらすじは「又吉が書く。吉村が演じる。」の通り。吉村が1時間半出ずっぱり。4話構成のオムニバス形式でどの話も吉村の演技から始まる。
第一話「世界は終わりまちた」
綾部(上司)と吉村又吉徳井(部下)で全員軍服。敵国に迎撃ミサイルを撃つか撃たないか言い争う綾部と吉村。戦災で家族を失った徳井は「ブッ殺してやろうぜ」しか言わず。又吉は反抗期の娘(直美)と寿司を食いに行く約束をしているので撃つのは反対。又「やばいなぁ」そこに警報がなり、ミサイルを撃つ決断をする綾部。誰も押したがらないので、4人で一斉に目の前にあるスイッチを押す。大きな爆発音とともに吉村のミサイルのランプが点滅。「絶対俺じゃん」←ここで少し緊迫した空気が緩む。そして赤い照明の中吉村の絶叫→全員の絶叫。ナンバーガールの「Num−Ami−Dabutz」が流れ暗転。全員叫び続ける。転換中はスクリーンに田中象雨さんの題字が流れる。「吉村崇」と力強く書かれた文字に涙。最後に今回のタイトル『咆号』と映し出される。
第二話「芸術家にも世界の終わりはきまちゅ」
ゲイのカップルである綾部(アツシ)と吉村(ミウラタイチ)と吉村の浮気相手又吉(織田)。二人が昔を懐かしみ、抱き合う中、吉村の携帯が鳴る。それを「先輩からだ」と言う理由で取らない。怪しむ綾部。「誰なの?やましいことがないなら携帯出して」という演技がリアル。結局しぶしぶ差し出した携帯には「吉野家の店長さん」との表示。「絶対にカモフラージュじゃん。ここに呼んでよ」と詰め寄り、来た相手が明らかにホームレスの風貌の又吉。怒り狂った綾部が又吉の頭にフォークを刺す。吉村絶叫。転換中は織田作品集。
第三話「夫婦にも世界の終わりはやってきまちゅ」
掃除機のコードの「これ以上ひっぱっちゃダメ」の赤いテープを張る内職をする吉村(ヨウコ)と才能のない俳人徳井(サトシ)吉村が息子のアツシに電話するシーンから始まる。そこにコンビニの面接から帰ってくる夫。いい加減仕事してくれと嘆く嫁と夢を諦めたくない夫。「30過ぎてカラムーチョで空腹を満たすのは嫌なの!」「ねぎタン塩とか食べたいの!」嫁が夫に対し冷たい言葉を浴びせる中、「愛してるから!俺はお前のこと愛してるから!お前はどうなんだよ」「大好きよ!私はあなたと私のことが大好きなのよぉ!!」そして泣く嫁。その場を去る嫁。嫁の言葉に改心し、就職情報誌(an)を読む夫。暗転。3年が過ぎ、喪服姿で出てくる吉村。夫の3回忌。「あなたが働くようになって、やっと普通のお嫁さんいなれたような気がします」等独り言をつぶやく嫁のところに綾部(弟・アツシ)が来る。ここで真相が明らかに。綾部「死んだのは姉さんです」嫁を幸せにしてやれず、自責の念にかられた夫は嫁になりかわることで罪を償おうとしていた。カツラを外しながら泣き崩れる吉村。ここでガラっと声色が変わる。「俺が殺したんだ…!!」「姉さんは病気だったんです。死ぬ前に、見つかると恥ずかしいからって預かったものがあるんです。」と夫が嫁に出会う前に出した唯一の句集を出す。中は付箋と赤線だらけ。その句集を震えながら受け取り顔を埋め泣き叫ぶ吉村。ここで流れる竹原ピストルのオールドルーキーがそりゃーまー素晴らしい。1番と2番を分けて使うのですが、ダメな夫を表現するにふさわしい曲。ハナレグミの家族の風景も。
第四話「世界は始まりまちた」
赤いソファーに寝そべりながらたまごくらぶを読む吉村(ヒラタシゲル)と臨月を過ぎた直美(メグミ)「野生のプーさんみたいだね」「よくわかんないけどすっげかわいい」とラブラブな二人。もうすぐ世界が終わるのに子供を生んでいいのか迷う直美。「僕たちが死んでも世界が素晴らしいことを伝えよう」と吉村。生まれてくる子供のために、ビデオカメラにパパとママのことを残す二人。嘘ついたって分からないからと、「ママは歌手だったんだよ」と直美。吉村は「メジャーリーガー」でも声が裏返っちゃって、言い直し。ちなみに18日はガクト。20日大塩平八郎。(かなりウケる。米騒動起こしたんだぞなど饒舌)千秋楽は叶姉妹の一番の友達。(全くウケず言い直すがウケず諦める)そこで「歌うわ」と山口百恵のプレイバックPART2を口パクで披露する直美。それを撮る吉村。間奏部分で吉村がビデオカメラの三脚をサックスに見立てるアドリブ?があったのですが、それがあまりに面白くその為だけに公演数を増やした(&OP見たさ)のにも関わらず、18日以降はそのくだりが短いという。とにかくそこが面白すぎて芝居だと言うことを忘れて笑ってしまいました。その後せっかくだからと知り合いの人にもカメラに映ってもらおうとそれぞれ人を呼ぶ。吉村は小学校の時の俳句の先生(徳井)を。直美は芸術家(シゲルと織田)を2人。ここで今までの登場人物が揃う。突然ノートを取り出す織田。そこには世界の終わりが書かれている。生まれる前に世界に絶望している赤ん坊。このノートに書いたことは現実になる。実はそうじゃなく、今までの話は全部赤ん坊の頭の中で起きていたこと。5人はその世界の住人だった。でも諦められない吉村は「俺はめぐちゃんの子供を生みたいだけなんだ!」「世界は素晴らしいって書けよ!書け!」その通り何度も書く又吉。又吉「みんなの叫びが赤ん坊の産声になる」と書き始める。「みんなで叫べ!!!」とともに陣痛でうなる直美。全員の叫び声の中、暗転。最後に吉村だけ絶叫。
「オギャー(産声とともに本編終了)」


自分なりの解釈しかできないし、なぜ織田がノートを持ってたのかとか納得できない部分もあるので、なんとなく台詞を交えた描写しかできないです。とにかく出ずっぱりの吉村がきちんと違う人になりきっていたすごさに感服。私の大好きな吉村の特徴的な声もすべて使い分けてた。1話じゃ硬く緊迫感のある声、2話じゃ低音を生かしてゲイっぽさを出した気持ち悪い喋り方、3話のお嫁さんは表現しがたいけど、ほんとに女のような喋り方でした。大声張らなきゃいけないシーンでもきちっと女になって、いつもの怒号ではなかった。仕草もすごい。根が女っぽいとは言え、女の曲線美をよく表現したなーと。座り方、動き、どれを取っても凄かった。電話を取る仕草や、受話器を置く仕草も女だったもん。電話のコード触るのとか女っぽいもんなー。そこから弟の綾部から「死んだのは姉さんです」と宣告されてから、ガラっと変化した吉村。4話は吉村の新しい一面が見れたようで、個人的に好きだったシーン。夫婦って設定を見たことがなかったため、ごく普通の新婚夫婦を演じる吉村に不覚にも持ってかれました。今までのシーンとは打って変わってポップな始まりだったので、シゲルくんを演じる吉村がかわいくて、かわいくて。普段絶対に見れない吉村の表情だと思います。お父さんに挨拶に行くのを怖がる演技だったり、直美と絶妙な夫婦を演じる吉村が今までに見たことない吉村だったにも関わらず、どこか本当の吉村が見えた気がして不思議な気持ちになりました。人見知りだし彼女にすら心を開かないと公言している吉村なので、こんな表情が出来る人と出会って早く幸せになって欲しいなーなんて思いながら見ていた自分がいます。普段とかけ離れているからこそ演技しやすいとかあるのだろうか…緊迫した場面でも直美のお腹の子を気にしたり、直美を守ったりする夫としての演技が自然なんだもん。1話〜3話はどこか台詞が見える演技だったけど、4話は自然だった。普段とは間逆の設定なのに。だからすごい好きなシーンでした。ノブコブ2人で夫婦を演じた3話は又吉直樹ありがとうの一言に尽きます。コンビだからこそ出せる雰囲気がそこにはあって。突っ走る夫を制す嫁も全く違和感なし。今日のEDトークでは、いつもの吉村も見れて(笑)綾「いつもは19時〜だから間違えてきた人もいるんじゃないですか?(数人挙手)」吉「すいませんね。でもあんたが悪いんだからね。一応謝るけど」又「そういうキャラやからね」とフォローを入れる素敵な同期(笑)無理して毒づく吉村を見て、「それそれ〜」とニタニタしていたのは秘密です。最後まで顔を上げず、綺麗な深いお辞儀する姿見て、吉村に土下座とお辞儀をさせたら日本一だと思ったのです。いつもはお辞儀なんてきちっとしてんの見れないから(笑)元々出来る子とは知ってたけど(だから応援してるはず)も、それを期待以上で返してくれるヨシムラタカシ。舞台で演じさせたらかなりのものだと信じてやまないのですが、それがお笑いに生かされるかどうかは本人次第ですからね。難しいとこです。またこの5人でやりたいですね、という言葉を信じて…思い出したら追記します。